あんずは生で食べるよりも、加工することで美味しさが何倍にもなる不思議な果物。爽やかな酸味と香りだけでなく、目に鮮やかなビタミンカラーも元気を与えてくれます。前回に引き続き、今回はあんずジャムのバリエーションを2種類、そしてセミドライアプリコットの作り方をご紹介します。
あんずとバニラのジャム
材料
あんず(正味) 800g
グラニュー糖 400g
レモン汁 大さじ1
アマレット 大さじ1~2
バニラ棒 1/2~1本
作り方
基本のあんずジャムの作り方とほぼ同じです。バニラ棒はナイフで縦に切り込みを入れて種をしごき出し、さやは瓶に入る長さにカットします。そしてジャムを煮詰める最終段階で、トロミがついたらバニラの種とさやを投入。アマレットも加え、ひと煮立ちさせて出来上がりです。瓶詰めの際にはさやも一緒に入れてくださいね。バニラは上品なマダガスカル産バニラでも、濃厚なタヒチ産バニラでもお好みで。ただしタヒチ産は種がねっとりしてばらけにくいので、加えてからよく混ぜ合わせてください。あんずの爽やかさとバニラの優雅な甘い香りはとてもよく合います。フロマージュブランやリコッタチーズ、水切りしたヨーグルトに添えるだけでも極上のデザートに。もちろんスコーンにたっぷりのせるのも最高の贅沢です。
あんずと白桃のジャム
材料
あんず(正味) 600g
白桃(正味) 300g(大きめ1個分)
グラニュー糖 400g
レモン汁 大さじ2
アマレット 大さじ1~2
作り方
こちらも基本のあんずジャムの作り方をベースにします。白桃は皮をむいて7~8mm角にカットし、あんずと一緒に煮ます。白桃は酸味がほとんどないので、グラニュー糖を少々控え、レモン汁を多めに加えます。
あんずの旬と桃の出始めがぎりぎり重なる時期。タイミングをとらえるのはなかなか難しいのですが…。あんずのイキイキとした酸味と桃のやさしい甘味は相性ばっちり。白桃は煮崩れずに形が残るので、見た目にもいいアクセントになりますね。
さらにあんずが余ったら、自家製のセミドライアプリコットはいかがですか。
セミドライ・アプリコット
あんずを半割りにし、切り口を上にして天板に並べ、グラニュー糖を少々振りかけます。90℃のオーブンに入れて2~3時間加熱し、途中で1~2回裏表を返します。
3時間後にはこの通り。
自家製ならではの絶妙な柔らかさ。あんずの美味しさがギュッと凝縮されています。そのままパクパクとすぐなくなりそうですが、半生なので保存するなら冷蔵庫で。
瓶に入れてアマレットに漬けておくと、芳醇な味わいに。焼き菓子に使えば最高のアプリコットケーキになることでしょう。贅沢ですから、とっておきの時に…。