りんごの季節到来!今年も大好きな紅玉が信州から届きました。王道のアップルパイ、薄切りのりんごを美しく並べたタルト・オ・ポム、ほろ苦甘酸っぱいタルトタタン…、何を作ろうか悩むところですが、私が一番よく作るのがこちら。フランス料理を学んでいた頃の私のバイブル、ロビュションの料理本に紹介されていた、素朴なクランブルタルトです。自己流に少しアレンジしていますが、香ばしいタルト生地+ジューシーなりんご+カリカリのクランブルの組み合わせは、いつ食べても納得の美味しさです。
りんごのタルト
材料(直径20cmのタルト1台分)
パート・ブリゼ(タルト生地)
- 薄力粉 150g
- 無塩バター 75g
- 塩 小さじ1/4
- グラニュー糖 小さじ1/2
- 全卵 45g
フィリング
- りんご 600g(紅玉で3個分)
- レモン汁 大さじ1
- 無塩バター 大さじ1
- カルバドス 大さじ1~2
クランブル
- 薄力粉 50g
- ブラウンシュガー 50g
- アーモンドパウダー 40g
- 無塩バター 40g
下準備
- パート・ブリゼ、クランブルともにバターは1cm角に切り、使うまで冷蔵庫に冷やしておく。
- タルト型には薄くバターを塗っておく。
- オーブンの予熱は180℃。
作り方
- パート・ブリゼを作る。フードプロセッサーに薄力粉、塩、砂糖を入れて数秒回し、角切りにした冷たいバターを加える。さらさらになるまで回す。全卵を加えて、生地が大体まとまったら取り出す。形を平らに整えてラップに包み、冷蔵庫で1時間ほど休ませる。※フードプロセッサーを使用しない作り方はアドバイス欄参照。
- 作業台に1の生地を置き、めん棒で伸ばす。2~3mmの厚みで型よりひとまわり大きいサイズにする。ラップの間に生地を挟むと作業がしやすい。型にぴったりと敷き込む。型の上からめん棒を転がして、余分な生地を落とす。フォークで生地を突いて穴を開け(ピケ)、冷蔵庫で1時間~1晩休ませる。
- りんごのフィリングを作る。りんごは皮をむいてくし切りにし、厚さ5mmのいちょう切りにする。鍋に入れて残りの材料を加え、蓋をして中火にかける。水分が出てりんごが透き通ってきたら蓋を取り、ときどきヘラで混ぜながら水分を飛ばす。バットに移して粗熱を取っておく。
- クランブルを作る。ボウルにバター以外の材料を入れて、手で混ぜ合わせる。冷たい角切りバターを加え、粉をまぶしながら、指先でバターを細かくしていく。粉チーズのような状態になればOK。その後、生地を少しずつぎゅっと握ってはほぐし、やや大きめのそぼろ状にする。
- 2のパート・ブリゼを冷蔵庫から取り出し、3のりんごのフィリングを詰め、ゴムベラで平らにならす。4のクランブルをふり、手で軽く押すようにして表面を整える。
- 180℃に予熱したオーブンで50分~1時間焼く。
アドバイス
- 手でパート・ブリゼを作る時は、ボウルに薄力粉、塩、グラニュー糖を合わせてふるい入れ、冷たい角切りバターを加え、指で粉とバターをすり合わせて粉チーズ状にする。溶き卵を加えてざっと混ぜ合わせたら、手でギュッとおすようにして一つにまとめる(こねたり練ったりしないこと!)。塩味でサクサクしたパート・ブリゼは、焼き菓子にもキッシュにも使えてとても重宝します。
- 市販のパイシートでも代用可。または生地なしで、耐熱皿にりんごのフィリング&クランブルだけでも十分美味しいです(その場合は180℃で30~40分焼く)。
- クランブルは細かくしすぎず、ちょっと不揃いなくらいが存在感が出ます。最後にぎゅっと手で握って粗くほぐすと、ちょうどいい感じになります。
- りんごがずっしり入っているので、パート・ブリゼは空焼きしなくても浮いたりしません。その代わり、タルトの底面もしっかり焼けるように焼成時間は長めにします。途中で表面が焦げてくるようでしたら、アルミホイルをかぶせて焼いてください。
- タルト型よりもタルトリングを使うほうが、底面がパリッと仕上がるのでおすすめです。
金色に柔らかく煮えたりんごがたっぷり。砂糖を加えずカルバドスで風味をつけるのがフレンチシェフらしく、素朴かつ洗練された味わいです。これにバニラ風味のアイスクリームを添えれば至福のデザート!