粉、砂糖、卵、バターの4つの材料を4分の1ずつ。そんなシンプル極まりないカトルカールは、焼き菓子の原形であり完成形でもあります。いろいろ足したり引いたりしてみても、この配合に戻るとやっぱり美味しくて安定の仕上がり。バターをよく泡立てて、卵も加えるつどよく泡立てれば、ふっくらしっとり。ベーキングパウダーの力で膨らませる生地とは違う、きめ細やかでやさしい口当たりです。日持ちもし、日を追うごとに味が馴染んで、しっとりと味わい深くなっていきます。半分はジャムやクリームをはさみ、イギリス風のサンドイッチケーキにしてみましょう。
基本のカトルカール(パウンドケーキ)
材料(16cmのケークドロア型、または18cmのパウンド型1台分)
- 無塩バター 110g
- グラニュー糖 110g
- 全卵 110g
- 薄力粉 110g
下準備
- バターを室温にもどし、やわらかくする。
- 卵を室温にもどし、溶きほぐす。
- 型に型紙を敷くか、バターを塗っておく。
- オーブンを170℃に予熱する。
作り方
- ボウルに無塩バターとグラニュー糖を入れ、ゴムベラですり混ぜる。
- ハンドミキサーの高速で4~5分、白っぽいふわふわのクリーム状になるまでよく泡立てる。
- 卵を4~5回に分けて加え、そのつどハンドミキサーの高速で2分くらいしっかり泡立てる。
- 薄力粉ふるい入れ、ゴムベラで切るようにして混ぜ合わせる。
- 粉っぽさがなくなったら、全体が均一になりつやが出るまで、大きくすくい返すように混ぜる。
- 型に生地を入れ、型を数回持ち上げて落とし、生地の中の余分な空気を抜く。ゴムベラで中央をへこませるように表面をならす。
- 170℃に予熱したオーブンで45分~50分ほど焼く(生地の膨らんだ部分を指で押してみて、ふわっとした弾力があれば焼き上がり)。粗熱が取れたら、型から取り出し、ケーキクーラーの上で冷ます。
アドバイス
- まず卵2個分の重さを量り(110g前後)、ほかの材料をその重さに合わせると無駄がありません。
- プレーンな生地は素材の持ち味がストレートに伝わります。お好みでラム酒などを加えても風味がよく、バニラビーンズやレモンの皮のすりおろしを少し加えると、とても上品な香りのカトルカールになります。
- ベーキングパウダーなしで作ったカトルカールは、とてもきめ細やかでしっとりとした生地に仕上がります。ハンドミキサーでバターをしっかりと泡立て、卵を少しずつ加えて丁寧に泡立てることが一番のコツです。
- パウンド型やケークドロア型で焼くと、生地がとてもよく膨らみます(丸型や平たい角型は、同じように作ってもそれほど膨らみません)。具材をたっぷり加えるフルーツケーキなどは、少しベーキングパウダーを加えて膨らむ力を補ってください(小さじ1/4~1/2くらい)。
- 焼いてから翌日以降、生地がしっとりとなじんだ2~3日目がとても美味しくいただけます。夏場以外は常温で1週間ほど保存できます。
マトファ―のケークドロア型を愛用しています。 ケークドロア型は垂直でスタイリッシュな形。高さがあり容量も大きいので、パン型としても使えてとても重宝です。 カトルカールで、卵を2つ(110~120g)使うスタンダードなレシピには、16cmのケークドロア型がぴったりです。
基本のカトルカールで、ビクトリアンサンドイッチ風のケーキを2種類作りましょう!
カトルカールの高さを3等分にスライスする。下2枚の上面にラズベリージャムを塗って重ね、トップの生地を乗せたら手で全体の形を整える。仕上げに粉砂糖をふる。
カトルカールの高さを3等分にスライスする。下2枚の上面にレモンカードをたっぷりと塗って重ね、トップの生地を乗せたら手で全体の形を整える。レモンアイシング(粉砂糖50gとレモン汁小さじ2をとろりとするまで混ぜ合わせる)をトップにかけて、パレットナイフで全体に広げる。30分ほどおいてアイシングを乾かす。
ラズベリージャムとレモンカード はお好みのもので。ブリティッシュなビクトリアンサンドには、チップトリーもオススメです。
手作りのレモンカードは絶品!レシピはこちら⇩
素朴で洗練された食感と風味がまっすぐに味わえる、シンプルなカトルカール。半分食べて残りの半分を、ちょっとアレンジしてみるのも楽しいですね。ぜひお試しください!